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2011年 07月 28日
だいぶ昔、「ワーキング・ガール」というアメリカの映画があった。
NYを舞台にした、男性社会を上へと上っていく女性達の話だった。 彼女達はスニーカーで通勤し、オフィスへ到着するとハイヒールに履き替えた。 日本でも一時期そのスタイルが流行したと記憶している。 今はどうなのだろう? もしかすると、流行を習慣にした人もあるのかもしれないが、基本的な日本社会の靴事情は、通勤はハイヒールなどのきちんとしたもの、事務所では履き心地の良いヒールの低いパンプスやサンダルではないか。 男性も同じだろう。 NY式と日本式で、どちらが合点のいくものなのだろう? 確かに通勤にハイヒールなど履いていては疲れるが、座っていることが多くても、通勤より更に長い時間それを履いているのも疲れるような気もする。 思うに、日本の場合は、団結してモノゴトに取り掛かる国民性や長年に渡る(っていた)終身雇用の習慣から、会社を家のように考えるのではないか。 客や競合は家の外にいるから、外ではきっちりとした靴を履くが、家の中ではゆったりする。 逆に、NYをはじめとする北米社会は個人社会であり、敵は社内にこそいるのである。 だらだらしたサンダルを履いて、隙のある姿を見せてはいけないのかもしれない。 私の住んでいるバンクーバーも北米の端っこに一応位置しているためか、靴事情はNY式である。 きれーなスーツを着ていても、足元はゆったりしている。 夏になると、そのゆったり感が更に拡大され、ビーチサンダルで通勤する人をよく見かける。 男性でそれをやっている人を今のところ見たことがなく、ペタンペタン音をさせてオフィス街を歩いているのは、大抵女性である。 彼女達は、夏には裸足のまま靴を履くことが多いから、ビーチサンダルであれば靴下の手間がはぶけて都合が良いのかもしれない。 しかし、ビーチサンダルというのは、浜辺などをたらたら歩く分には心地が良いが、ある一定以上の距離を歩くとなると、わりとくたびれる代物ではないだろうか? 親指と人差し指でサンダルを掴みながら歩行をするわけだから、長く歩くと、指が軽い腱鞘炎のようになったり、足の妙な箇所が筋肉痛になったりすると思う。 確か、どこだかの研究所が調べて、ビーチサンダルは最も良くない履物の一つとして挙げられたことがあったと記憶している。 そういう意味では、ビーチサンダルというのは、「ワーキング・ガール」が提唱するところの通勤靴には合っていないのかもしれないが、それはそれとしても、見た目はゆったりとして気持ち良さそうではある。 物理的ではなく、心理的効果があるのかもしれない。 スーツにビーチサンダル、バンクーバーの夏の風物詩。
by bp1219
| 2011-07-28 12:17
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